い庭の中に住むような住宅である。庭のなかを散歩しながら、料理をしたり、本を読んだり、お風呂に入ったり・・・そんな感覚を呼び起こすのである。
計画は敷地形状と周辺環境を最大限に活かせるように、5つの門型をずらしてつなげる細長い構成とした。
5つの門型のうち2つに、キッチン設備と洗面・バス設備といったインフラを設置し、またそれぞれの門型に行為のきっかけとなるような家具を点在させた。門型と門型のずれた部分を開口にすることで、どこからでも庭に植えられた花や木々を眺められる。
全長25mのワンルームは所々くびれながら、どこからがリビングで、どこまでがキッチンかという明確な境界を与えない。このことはキッチンの中のバス、あるいはバスの中のキッチンのような多義的な場所を生み出した。
構造形式は、この「ずれ」を耐震要素とすることで、南北方向の壁に対し直行方向へ耐震壁を設けずに、南北に長い敷地の特徴を活かしつつ空間に奥行きと広がりを与えてくれた。また壁厚125mmという寸法は、内外を仕切る外壁ではなくインテリアの感覚寸法として体感できるだろう。
2011年 BEST HOUSE OF MODERN LIVING 2011 特別賞
2009年 千葉県文化賞奨励賞受賞
撮影:黒住建築写真事務所、小出直穂子
敷地面積:678.89㎡
延床面積:94.67㎡
用途:専用住宅
構造:木造(一部鉄骨)
階数:平屋
造性を喚起する場所とは何か?
クライアントと議論する中で、オフィスには二つのスペースをつくるのが望ましく思えた。個人がアイディアやデザインを創造・発見する巣箱的スペースと、それを展開・表出・共有化させるための広場的スペースである。
ワーカーは、この二つのスペースを自由に行き来し、自然と人が集まり、議論が生まれ、アイディアを練りたくなる、そんな場所が目指した。その状況を生み出すために、大小さまざまな開口をもった襞状の壁を一枚挿入した。壁は2つのスペースを境に、でっこみ・ひっこみを繰り返しそれぞれ異なる性格を持った場所をつくり出した。
下北沢にあるこのオフィスの広場的スペースは、自然と街のもつ独特の熱気や感性を引き込む場所でもある。イベントやギャラリーなど、フレキシブルな使い方ができる空間となった。
撮影:小出直穂子
敷地面積:-㎡
延床面積:216㎡
用途:事務所
構造:-
階数:-
きなテーブルが一つだけ置かれたダイニングレストラン。
テーブルのスケールを操作することで、この場におこるさまざまな行為の距離感をデザインしようとしている。一般的な飲食店のテーブルよりスケールを少しだけ拡張させたテーブルによって、この場のコンセプトに最適な距離感、あるいは親近感を与えようと考えた。
ゲストに新鮮な野菜を使った料理を楽しんでもらいながら、出会い・音楽・芸術を見つる場であって欲しい、というクライアントの思いを「cultivate」という言葉で表し、テーブルに込めた。
アートディレクション:重松佑
フラワーデザイン:東信 花樹研究所
グラッフィック:musubime
家具:山崎由梨
コピー:中村圭
写真:木村朗子、小出直穂子
敷地面積:-㎡
延床面積:67㎡
用途:飲食店
構造:-
階数:-
町情緒の漂う西馬込の商店街にある日本料理屋。近所の寿司屋や焼鳥屋などは、地域住民のたまり場となっていて食事とともに友人たちとの楽しい会話を楽しむのが、このあたりの流儀らしい。そんな場所での商売のあり方として、「競合」より「共生」のほうがふさわしいと考えた。地域客にとって選択肢を増やすこと、つまり西馬込で「ちょっとおしゃれをしていける料理屋」を目指した。
狭いトンネルと抜けると、天板の光るテーブルが2台だけの小さな店内である。デザインは、既存のコンクリート壁の前に屏風に見立てた新設壁を織物で仕上げ、既存壁と新設壁の間にライティングという最低限の設えとした。
敷地面積:-
延床面積:63m²
用途:日本料理店
構造:-
階数:-
さな整体院の計画である。この治療室はN先生と奥さまの二人で営まれる。入口からはいると待合室、そこに面して施術室を配置した。待合室は、お茶や会話が楽しめる場所を希望されていたので、壁面の掘り込みをベンチ、施術室の段差を縁側のようにも使えるようコンパクトな空間を身体で楽しむ場所として考えた。
家具を組み合わせたようにして出来上がった空間は、人間の身体感覚を意識して注意深くデザインしていった結果である。それはN先生夫婦の人となりや、整体というこの店の用途にふさわしい空間になったのではないかと思っている。(山崎健太郎+鈴木高敏)
グラフィック:musubime
ウェブデザイン:株式会社スマートデザインアソシエーション
撮影:小出直穂子
敷地面積:-㎡
延床面積:236㎡
用途:クリニック
構造:-
階数:-
黙知の共有、表出、その融合。創造的なアイディアは、このように生まれるという。そのためには、業務効率はもちろん、「人間」が本能的に求める場所のデザインが必要である。
ここは、アプリケーションソフト開発会社のオフィス。このオフィスの役割は、現在個々の拠点で仕事をしている社員が集まってアイディアを生み出すための場所である。一人一人がデスクでPCに向かっていても、社員みんなが空間を共有できる親密さをもった空間が求められた。
黒と白に塗り分けた壁が、折れ曲がりながら空間をつくる。部屋全体を貫く、壁にあけられた大きな開口。その下端の高さをすべてデスク天板と合わせることで、深さ700mmの湯船に見立てた。どこに座っていても同じお湯に浸かっているような感覚が生まれるのではないかと考えた。
撮影:小出直穂子
敷地面積:-㎡
延床面積:105.6㎡
用途:事務所
構造:-
階数:-
販店は商品を売るためにスピードや時代性を加速させるためのデザインが求められる。
クライアントが求めたものは、お客様にとって好きな宝石との出会いの場であった。デザインは、そのスピードを少しでも遅らせるために用いた。
時間が止まったような空間
色のない世界
あるいは屋根裏のような
絵本のなかのような世界
ここに足を運ぶお客様が、親しみをもって石との出会いを十分楽しめる空間作りを目指している。
2011年 JCD DESIGN AWARD 銀賞受賞
ロゴ、サイン、家具:山崎由梨
撮影:小出直穂子
敷地面積:-㎡
延床面積:57㎡
用途:物販店
構造:-
階数:-
地で食事するように気軽に寄れて、かつ、雰囲気ある空間をもったお店にしたいということが店主のリクエストであった。
この相反する概念をアルミパンチングメタルの引戸を開けたり閉めたりすることで、つくろうとした。
つまり、開ければ、スペインのバルのような、閉めれば、鉄簾の奥にうっすらとしたにぎわいの感じられる仕掛けである。
敷地面積:-㎡
延床面積:26.8㎡
用途:飲食店
構造:-
階数:-
にとってのリビングとなる場所をつくれないか?クライアントの思いは、ジェラートを提供し、イタリアの食文化を知ってもらいたいこと。それは、ジェラートを提供するだけでなく、その背景にある文化として、店舗自体が街に対して、リビングのような場所として存在することだった。
街における接点のデザインとして、アクセスビリティーを高めるために大きさの違う4つのキューブを歩道に沿って設け、それぞれ大きな開口を持つエントランス・テラス・客室とした。4つのキューブは歩道とのバッファーゾーンとなり、街と店舗がシームレスに繋がることができる。キューブ同士をゆるやかに連続させ、街の中にいながらリビングルームにいるような場所をつくった。この手法は街との接続と同時に客席数を確保し、ゆったりとしたイートインスペースを実現させた。また、ロゴ・サイン・家具を今回のテーマである『リビング』や『コミュニケーション』といったコンセプトで総合的なデザインをし、店舗のアイデンティティーを強める試みを行った。この地域にないデザインボキャブラリーを用いた建築デザインは、地域プロデュースのリーディングプロジェクトとしての役割を視覚的に強めている。
ロゴ、サイン、家具:山崎由梨
撮影:小出直穂子
敷地面積:262.32㎡
延床面積:186,92㎡
用途:店舗
構造:木造
階数:2階
後の暮らしについて、楽しいイメージを抱けているだろうか。どこか不安で、ネガティブな印象は少なからず、あるだろう。クライアントは「老いて豊かと語れる暮らし」というビジネスコンセプトを構想し、実現のために新しい介護住宅の商品開発を手がけていた。
私たちの役割は、ビジネスコンセプトを生活に直接的に関わる建築空間として表現することである。まず、初めに取り組んだことは、建物が置かれる敷地の整備である。敷地は急な斜面の緑地帯で、世田谷区を横断している国分寺崖線の一端にある。都内であっても豊かな緑地帯に隣接している。しかしながら、敷地はテニスコートとして使われていたため、崖は擁壁によって抑えられ、ぽっかり緑が欠きとられていた。斜面・雑木林・水辺といった一連の地勢が武蔵野特有の景観要素である。それを丁寧に読み込みながら、その緑地帯を再生した。新たなにつくられる地下階には斜面から連続するような壁泉を設け、新たな崖線を創造し、多様な風景をつくり出している。
懐しくも洗練さをもたせた空間から望む風景が、住まわれる方のやさしい話相手であってほしいと願う。(入江三宅設計事務所担当作品)
2008年 世田谷区環境表彰受賞
料理監修:原田充郎
ランドスケープ:タウンスケープ
撮影:黒住建築写真事務所
敷地面積:4,528m2㎡
延床面積:3,303m2
用途:有料老人ホ-ム
構造:RC
階数:B1/3F




















































































































































宅地に計画された独身寮である。ボリューム感の軽減のため建物壁面を分割し柔らかい色調とするなど、周辺環境や街並との調和を心掛けた。外廊下全面とバルコニーには、プライバシーを保ちつつ、光と風の通るFRPグレーチングを採用し、機能とデザインの融合を図っている。(入江三宅事務所担当作品) 











